会計事務所への転職を考えたときに、繁忙期があるのか、それがいつなのか気になりますよね。
3月15日の確定申告の時期は「忙しいんだろうなぁ」と想像はついても、その他はいつなんだろうって疑問に思いますよね。
3月は確定申告で大忙し?
確定申告が終わったら閑散期?
いいえ実はちょっと違うんですよ。
会計業界は基本的に繁忙期、閑散期がわかりやすい業界です。
この忙しい時期、忙しくない時期がわかるというのは働くうえでのメリットかなと思います。
会計業界にゴルフ好き・上手な人が多いのは、会計業界の閑散期(6月~10月)がゴルフをするのに良い時期だからでしょうか。
【繁忙期】会計事務所は11月~5月がてんやわんや
業界外の方からみると11月から忙しくなるのは意外でしょうか?
実は11月から会計事務所は繁忙期のはしりとなります。
そして新緑が眩しい5月までが繁忙期なのです。
思っているより長いですか?でもずーーーーと忙しいばかりの時期が続くわけではありません。
月毎にみてみましょう。
11月:年末調整
閑散期からの明けは年末調整からスタートです。
サラリーマンの確定申告と言われる年末調整。
だいたい11月初め頃には書類を各社の従業員さんに配布し、期日を決めて回収する。
回収のときには添付書類ももれなく回収してもらうことが大事です。
書類の配布→回収→一次チェックまでは会社さん側にやってもらうことも多いので、会計事務所に届くのは早くても11月後半でしょうか。
ここからは怒涛の作業タイムに入るけど、確定申告よりは作業量が多くないんだよ
たくさんの書類を扱うことになるため、書類が混在しないような工夫が必要になります。
12月:年末調整
11月に配布・回収した年末調整関係業務を引き続き処理していきます。
自分で作業して、チェックして、そして別の人がチェックする。
自分でチェックして、別の人の年末調整をチェックする。
1にチェック、2にチェック、3・4なくて5にチェック。
そんな時期です。
保険料控除とか扶養控除とか、所得税のあれやこれを思い出しつつ…。
確定申告に向けての準備期間にもなっている気がするね
年末調整の結果をどうするかは会社ごとに異なりますが、最終給与にオンする会社の場合は12月のお給料(25日や末日が多い)が計算されるまで待たねばなりません。
なので、11月からスタートして12月末までかかる、意外と息の長い仕事になりがちな年末調整です。
1月:償却資産、法定調書、住民税申告
意外と知られていない繁忙期の1月。
1月の業務にはお客様の協力も必要で、お客様と適宜コミュニケーションをとりながら進める必要があります。
ひとつの会社さんでも、いろんな仕事が交差するので、適切な業務管理がキモになる時期です。
このお客様はどんなところまで完了していて、何を待っている状態なのか明確にわかるよう業務管理シートを作成して事務所内で共有しているところもあります。
なお、個人のお客様には確定申告に向けて各書類を集めてもらうようアナウンス。そしてご来所の日時を決めたり、訪問のアポをとったり…
いよいよ確定申告の足跡がひたひたと聞こえてきます。。。
インフルエンザなども流行る時期。会計事務所内で蔓延すると大変です。
なぜか会計事務所でインフルエンザが大流行しているのを見たことがないのですが…気合かな?
というのは冗談で、根性論的な対策だけでは不十分です。
ワクチン、マスク、加湿、うがい、十分な栄養と睡眠などなど体調管理も業務のひとつと言えるくらい大事な時期に入ります。
2月:確定申告スタート
実質的に確定申告は2月に入ると同時にスタート!
2月の初めは、1月に決めたアポで年に1度お目にかかるお客様が多くご来所くださる時期です。
失礼のないようにしようね。
実は確定申告業務のピークは2月なんですよ。
個人事業主は全員誰しもが3月15日に確定申告を行う必要があるため、個人のお客様が多いと抜群に忙しくなります。
資産税をやる事務所だと、贈与税や譲渡の申告でこれまた忙しいのです。
ふだんはさほどない来所予定が重なり、事務所全体がてんやわんやします。
3月:確定申告のピーク
3月前半は15日まで確定申告がお祭り状態です。
とはいえ、3月15日ギリギリまでやっていることはあまりありません。
お客様に3月15日にご報告していたら怒られちゃうよ~
目安としては10日頃までには一通りの業務を終えているはず……です。
もちろん書類や回答が遅いお客様の場合は、そうはいかなかったりします。
何年か前にお客様が海外旅行に行っていて、なかなか連絡がつかずヒヤヒヤしたことがありました(海外旅行行くなら教えておいてくださいよ~遠い目…)
そして、そんなてんやわんやが終わった3月後半は、年明けから続いていた業務の滞りの整理(各書類の返却準備とか)でまた忙しいのです。
でも、確定申告のような切羽詰まるような忙しさではありません。
春の陽気も聞こえてくる良い季節の始まりなので、どこか空気も柔らかなんですよね。
4月:束の間の閑散…期?
4月は確定申告の混乱も落ち着きを取り戻しつつあり、ひと段落します。
しかし、3月決算5月申告の影がチラつき始める4月
(経理部門がしっかりしている)早い会社さんからは、決算関係の書類やデータが4月初めから届きます。早い…
4月の終わりといえばGWの始まりではありますが、そうのんびりしていられない雰囲気が…。
5月:法人ピーク
GWが明けた5月は確定申告並みの忙しさ復活!です。
規模が大きく、難度も高い法人さんほど3月決算が多い印象がありますが、そのうえ申告数も多い!
なんと日本の法人の2割弱が3月決算(国税庁:「決算期別の普通法人数」)なんだそうです。
事務所内も総力戦で挑む5月はもしかしたら一番ハードかも……。
めいじ個人的には確定申告より5月の方がプレッシャーがかかる
閑散期:6~10月
6月になるとようやく閑散期が始まります。
税理士試験の受験者は、この閑散期スタートから直前期に入ります。
可能であれば7月末から代休や有休、はたまた試験休暇を利用して追い込みたいですね。
8月初旬の税理士試験まで突っ走りましょう!
(有休ではない)試験休暇をくださる会計事務所だとベストです。
転職(入職)するのに良い時期は閑散期
会計事務所に転職するのに良い時期は閑散期です。
事務所内のマンパワーも余裕があり、研修も充実する時期になります。
しかし、税理士試験直前期(7月~8月のお盆頃まで)に入ると人材は動きにくくなります。
そして8月中旬以降からは会計業界のリクルートが最も活発になる時期ですよ!
大手税理士予備校などでも就職説明会が開催されるのでわくわく
繁忙期前の11月以降は即戦力の経験者が優遇される傾向あり。
番外編:特化型事務所はこの分類があてはまらない
相続税は相続開始から10ヶ月以内が期限です。
だからいつでも繁忙期だし、いつでも閑散期になり得ます。
M&Aなんかに特化している事務所も繁忙期なんて概念はありません(いつでも繁忙期かも)
夢中になって仕事をする時期があってもいいとは思いますが、子育てや税理士試験など自分のため、未来のためにワークライフバランスを求めてもいいんですよ。
特化型事務所に入所するのなら、この辺のミスマッチは絶対に避けたいところです。
会計事務所の繁忙期と閑散期まとめ
会計事務所にはわかりやすく「繁忙期」と「閑散期」があります。
特に忙しいのは12月、1月、2月と3月前半と5月。
そして6月になると閑散期に。
初夏から晩秋のころまでが閑散期になり、その間(8月)に税理士試験を迎えます。
ただし、特化型事務所などでは一般的な繁忙期と違う可能性もあるので、面接時には必ずその事務所の繁忙期を確認しましょう!
税理士試験を受ける職員さんは、直前期の勉強時間を確保するためにも6月~8月までは閑散期である事務所を希望するといいでしょう。
希望する働き方をきちんと伝えたうえでミスマッチがないようにしたいですね。
それでは今日はここまで!
またね~
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