会計事務所の月での繁忙期・閑散期がいつかご存知でしょうか。
会計事務所を含め、経理などは月末に忙しいイメージがありますよね。
それは本当でしょうか?
実は少し違っていて、答えは
- 1~10日の上旬は、閑散期
- 11~20日の中旬は、超繁忙期
- 21~月末の下旬は、繁忙期
こんな感じです。
ほとんどの会計事務所は毎月どこかしらの決算申告を請け負っていて、その締め切りが月末です。
だから月末に向かって忙しくなっていくイメージは正解です。
しかし、職員さんが申告をするための作業(決算仕訳の入力や税務署類の作成)をメインでやるのは中旬なので中旬が超繁忙期と言えるでしょう。
この記事では上旬、中旬、下旬ごとにみていきましょう
上旬(1~10日):閑散期
1~10日の月初は会計事務所に訪れる、束の間の閑散期です。
職員さんであれば、この時期に有休を使って休みを取る人も多いですね。
所長が旅行に行ったりするのも、閑散期の月初です
なぜ月初が閑散期なのかというと「毎月決算申告がある」とは言ってもお客様からの関係書類がまだ届かないからです。待ちの時期なのです。
ただ、もちろんやることがないわけではありません。
この時期のお仕事としては
- 前月に申告が完了したお客様の控えを準備
- 前月までに申告したお客様の資料を整理整頓
- その月に決算を迎えるお客様の確認(当月が9月なら9月に決算のお客様)
- 月次書類の整理(仕訳入力)
- 源泉所得税の納付管理
などがあります。
特にその月に決算を迎えるお客様の確認は大事なお仕事です。
毎月お会いするわけではないお客様の場合、申告する月だけに連絡を取ると(つまり9月決算の会社なら11月)、11月ではすでに決算期(9月)が過ぎてしまっていて、できる決算対策がごくごく限られてしまいます。
「ああすれば良かった。こうしておけば良かった」となるのはNG!
決算対策として何かできることはないか、お客様と検討するだいじな時期です。
中旬(11日~20日):超繁忙期
中旬はいよいよ超繁忙期に突入です。
いろいろな仕事を同時並行で、確実にこなしていかなければなりません。
月次訪問
月もなかばに入るとお客様のところに月次訪問にうかがいます。
月次訪問とか巡回監査とか言ったりするよ
前月の書類が揃うのが、翌月10日前後のことが多いので、必然的に中旬にアポをとることが多くなります。
お客様から前月までの帳簿資料(伝票、領収書や通帳のコピーなど)をお預かりし、会計事務所からは残高試算表や経営に関する資料をお渡しして打ち合わせをします。
お客様のところに担当者が訪問するか、あるいはお客様が会計事務所に来てくださるパターンもあります。
お客様のニーズによって、
- 月1回
- 3~4ヶ月に1回
- 6ヶ月に1回
- 1年に1回
と頻度はさまざま
月次訪問はコロナ禍を経て、必ずしも対面で行う必要はなくなりました。
最近は領収書類は電子データで受け渡しできますし、銀行口座・クレジットカードの明細・電子マネーの使用履歴などは直接 会計帳簿にデータ読み込みが出来るので必ずしも紙ベースの書類が必要ではありません。
面談もZOOMを始めとしたオンラインでできます。
しかし、これだけオンラインが発達してもお客様は対面での打ち合わせを希望されることが多いですね
デジタルな時代だからこそ「直接顔を合わせて話したい」そんなニーズを感じます
決算申告準備
法人の決算申告においては、非常に多くの書類を準備する必要があります。
まずは最終月までの入力作業を完了させて、そこからようやく決算作業に入ります。
決算作業にあたっては、棚卸表、売掛金の一覧表、買掛金の一覧表、手形の一覧表などなど会社さん側に準備してもらわなければいけません。
お客様にとっても申告は一大イベントだね。
すべての書類をすぐに準備できるわけではないので、準備ができたものから順次お預かりすることになります。
何をお預かり済みで、何が未着なのか、わかるよう適切な業務管理が必要ですね。
下旬(21日~月末):繁忙期
一般的には月末こそ超繁忙期だと思われがちですが、実は「どちらでもない」というか
意外と?職員さんは閑散期寄りの繁忙期かなと思います。
決算申告準備(引き続き)
決算申告のメドさえ立っていれば、そんなに実はそんなに忙しくはありません。
とはいえ、お客様から資料が届くのが遅くなると、こんな時期になってもまだ決算作業をしていたりして超繁忙期が続いていることもあります。
お客様も巻き込んだ適切な業務管理がとってもとっても大事になりますよ。
決算報告訪問
さて、すったもんだの決算申告準備が整ったとしましょう。
法人の確定申告書が完成したからといって、会計事務所が勝手に申告を進められるわけではありません。
会計事務所で作成された申告書一式を持って、社長と決算報告の面談をします。
所長が行くのか、所長と担当職員さんが行くのか、事務所の方針次第
今は「脱ハンコ」で各申告書に社長の自署・押印は不要になっていますが、面談で承諾をいただいた証明として押印を頂いたり、会計ソフトで準備されている「同意書」などに署名・押印をいただきます。
月次決算
中小企業ではしっかりとした月次決算を組んでいる会社さんはあまりありません。
ただ、前月の帳簿を締めて、会計ソフトにその後入力できないようにする(「帳簿を固める」と表現される)作業を「月次決算」と呼んでいたりします。
「固める」作業を会計事務所で行うことを簡易的な「月次決算」として、締め作業が発生することがあります。
電子申告
今は申告のほとんどが電子申告のため、ひと昔前のように申告書を紙で送るための郵送準備などといった手間はありません。
お客様の同意をいただいた確定申告書をデータ化して、オンラインで送信する。
会計ソフトの流れにしたがって作業を進めるだけなのですが、エラーが出ていないかキチンとチェックしましょうね。
まとめ:月単位でみる会計事務所の繁忙期・閑散期
月単位でみた会計事務所の繁忙期・閑散期をまとめると、
・初旬が閑散期
・中旬が超繁忙期
・下旬が繁忙期
です。
意外でしょうか。思った通りでしたか?
会計事務所はある程度仕事ができるようになると、自分で仕事の調整がつけられるようになります。
有休を取得したり、お客様さまとのアポも自分で予定を決めることができるんだよ
勉強が忙しい税理士を目指す職員さんも、ワークライフバランスを重視したい職員さんにも、とても働きやすい業界に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
今日はここまで!
またね~
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