会計事務所で働いていると「やめたい」と感じることがきっとあります。
そんなときにどうしたら良いのか迷いますよね。
どれも正解ではありますが、衝動的にやめてしまうことはオススメしません!
結論を先にお伝えしておくと、やめたいと思ったときは、自分が仕事をするうえでの優先順位を確認しつつ、転職活動をしながら模索する!です。
この記事では、会計事務所の退職を決める前のチェックリストをご紹介します。
- チェックリスト1を元に「やめることを検討」し、
そのうえで、次に
- チェックリスト2を元に「やめないことを検討」します。
このチェックリストを使うと、あなたが仕事をするうえでの優先順位が確認できます。
「やめないこと」も検討するのが大事なんです
自分の優先順位を知ったうえで転職活動をスタートすれば、ミスマッチは起きにくくなりますよ。
「やめたい」と思ったときこそ焦らず、あなたの選択肢を広げてください。税理士業界は基本的に人手不足!焦らなければ必ず合う、いい事務所を探せますよ。
- やめるかどうかの判断基準の整理ができる
- 退職を決める前のチェックリスト1「やめたい理由7選」
- 退職を決める前のチェックリスト2「踏ん張れる理由5選」
- てっとり早く会計事務所を辞める方法
そしてもし、
そんな思いがあるあなたは赤信号!
心が疲弊して体調を崩しかけていませんか?
いますぐ退職することを考えてください!
事務所が人手不足なのはあなたの責任ではありません!
所長が怖いなんて異常事態!逃げても大丈夫なんですよ
退職を決める前のチェックリスト1
まずはチェックリスト1「会計事務所やめたい理由7選」に当てはまりますか?
どれかひとつでも当てはまり、当てはまった項目が「働くうえでの優先順位」の上位なら早々に退職を検討することになります。
税理士業界は離職率が高く、「会計事務所をやめたい」と思う人はかなり多いものです。
間違えても「自分の能力が低い」とか「我慢が足りない」とか思わないでくださいね。
実際、私は4つもの会計事務所を渡り歩きましたよ!(自慢にならない)
4年ちょっとで3つ渡り歩いて、今の事務所で4つめです
給料が安い
税理士業界は業界的に安い給与体系なんです。ほとんどの会計事務所は税理士が「個人事業主」で超零細企業!
それに事務所に長くいるベテランより上げられない風土が根強い事務所も多いのです。
また人事評価などなく、固定された昇給しか行わない事務所もありますよ。
昇給は年に1度3,000円。科目合格しても手当なし、とか
それにまだまだ、残業代が出ない会計事務所もすごく多い!!
そういう事務所に限って残業・休日出勤が多かったりする
質問しづらい。教えてもらえない。
そもそも大手税理士法人でない限り、教育担当がいないことは割と普通です。
「見て学べ」「自分で調べる」はある程度当然ではありますが、それは中堅職員さんやベテラン職員さんになってからのこと。
税制改正が頻繁にあるので、必ず1度は自分で調べる必要があります
でも未経験者や初心者の方が質問できない、教えてもらえない環境はいただけませんね。
ひどい事務所だと業界経験1年程度の新人が新入社員に仕事を教えてる、なんてことも!
人間関係がよくない
会計事務所は人間関係が近くなりがちです。近いからこそ、パワハラ・セクハラ・モラハラが横行していることも……
特に税理士は60歳以上が50%超と高齢化が進んでいる世界です。昭和の感覚が色濃く残っていたらアウト
「女の子」とか「男なら~」とかの発言があったら要注意
労働基準監督署に相談してもいいですが、改善されることはないと見た方が無難です。転職した方が早くて確実でしょう。
残業が多い
残業が多い理由はいくつか考えられますね
- 仕事のやり方が非効率的(紙ベースが多い)
- 安いクライアントもバンバン引き受ける
- 人がよく辞める
- 人が急に辞める
- 担当者のキャパを超えた仕事を振っている(質・量どちらでも)
職員さんではどうすることもできない問題ばかりです。
平日も含めて休むことは心身ともに健康でいるためには必須
【税理士を目指している人】勉強時間がとれない
「残業が多い」にも通じますが、勉強時間がとれないことも「やめたい理由」によく挙げられます。
税理士試験は年にたった1度、8月に行われます。
1年の長いスパンの中で大事なことは、閑散期も繁忙期も関係なく「年間を通して勉強時間を確保すること」
勉強時間が確保できないのなら、実務を頑張る意味もなくなってしまいます
面接時には「繁忙期も勉強に支障のないよう応援する」などと言っていても、実際に入社するとそんな配慮してくれないことも……
労働契約書などの書面に残らない口約束は要注意!
やりがいが感じられない
多くの会計事務所の仕事は1年を通してだいたい同じです。
単調な作業ばかりで飽きてしまうこともあるでしょう。
資産税(贈与税や相続税)の仕事がある事務所なら単調になりづらいのですが、事務所によっては資産税の仕事は皆無ということも珍しくありません。
やりたいことがある
自分のやりたいことが明確になったら迷うことはありません!
- 資産税をやりたい
- 医業に特化したい
あるいは、税理士業界にこだわらず
- 事業承継に携わりたい
- M&Aの実務をやりたい
- コンサルに興味がある
- 上場会社の経理をやりたい
などがあるでしょうか。
今の事務所では経験できないのなら焦らず探せるよう、早めに転職活動をスタートしましょう。
退職を決める前のチェックリスト2「踏ん張れる理由5選」にあてはまる?
チェックリスト1で「やめたい理由」に当てはまったあなたは、次にチェックリスト2に進んでください。
このチェックリスト2にチェックがつくのなら、もう少し今の会計事務所で踏ん張ってみてもいいかもしれません。
チェックのついた項目があなたにとって優先順位が高いかどうか考えてみてくださいね
例えば、
✕:給料が安い→やめたくなるぐらいめちゃくちゃ安かった
〇:ストレスが少ない(残業なし。定時退社推奨)→当時の私にとって最重要!踏ん張れる理由
〇:下積み期間だと割り切れる→ひと通りの業務を覚えたい、未経験だった私の踏ん張れる理由
→お給料が安くても、定時退社ができて、独り立ちできる程度の実務が学べる事務所は私にとってブラックではなく、グレーな事務所でした。
給料が抜群に安いという点でグレーですが、私にとってはホワイト寄りでした
精神的には問題ない(ストレスが少ない)
これ最重要です。
ストレスなく働けるかが最も大事なことです。
逆をいうと心が病むほどストレスを抱えてはいけません。
無理・無茶・過度の我慢は絶対NG!
税理士を目指さないなら、会計事務所だけにこだわらずに転職先を検討すること。
税理士資格がなくても、経理に世界には管理職(経理部長)やCFO(最高財務責任者)などのキャリアプランがありますよ!
税理士を目指すなら、絶対ホワイト会計事務所への転職を目指す!
問題解決の方法があり、実績を作れそう
例えば業務を効率化できれば、単純作業時間・残業時間を減らせそうですか?
近頃はフィンテックを活用すれば作業時間の削減はかなり進められる部分もあるでしょう。
問題解決に取り組んで効率化などの実績が作れたなら、それ自体があなたの強み(アピールポイント)になりますからね!積極的にいきましょう
譲れるポイントと、絶対に譲れないポイントとが両立している
抽象的な言い方になってしまったので具体的な例を。
- 給料は安いが、税理士試験の勉強時間は取れる
- 残業は多いが、実務を学びたかった相続税を担当できる
職員さんで最も多い目標は「税理士になる」ですよね。例えば、税理士試験予備校に繁忙期も必ず通えるよう配慮してもらえるならば、今の事務所で踏ん張ってみてもいいかもしれません。
人脈を広げるのに良い環境
税理士を目指していたり、税理士資格があるなら、いつか独立・開業するかもしれません。そのためにも人脈(税理士仲間、顧問先)を広げておけるに越したことはありません。
税理士を目指さない職員さんにとっても、人脈を広げるのに悪くない環境ならいいかもしれませんよ。
顧問先と誠実にお付き合いしていると「辞めるならうちにこない?」と引き抜きのお誘いがあったりします
めいじの知り合いは、副業でアクセサリー作家(デザイン、作成、販売)をしていて、クライアントの社長が奥さんへのプレゼントに定期的に購入してくれるんだと言ってました
手っ取り早く会計事務所を辞める方法
何度でも言いますが、心が病みそうなくらいツライなら出来るだけ早く今の事務所を辞めてください。
- 就業規則には〇ヶ月に前に言うことになっている
- 自分が辞めたら迷惑がかかる
- 退職と言ったら圧力をかけられそうで怖い
手っ取り早く会計事務所を辞める方法、それは「退職代行」を使うことです。
円満退社ができるならそれにこしたことはありませんが、パワハラまがいの所長や上司がいる場合「辞めます」というのすら怖いですよね。
というか「話すことすら怖い」「もう2度と事務所に行きたくない!」そんな風に思っていたら、赤信号!
退職代行にも一般会社、労働組合法人、弁護士法人とありますが、労働組合法人もしくは弁護士法人に依頼するのがオススメです。
同じ士業だからか、「弁護士」に弱い所長も多い
以下に違いをまとめておきますね。
料金 | 会社との交渉代行 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
一般会社 | 安い | NG | とにかく安価 | 会社との交渉(有給消化など)はしてもらえない |
労働組合法人 | 中間 | 一部OK | 会社との交渉も頼める(有給消化など) | 訴訟に発展したような場合には、それ以上は頼めない |
弁護士 | 高め | OK | 万が一訴訟に発展してもワンストップで頼める | 費用が高めになりがち |
弁護士にお願いしたいけど…料金がネックになりがちです。
そんな方には、最安プランなら労働組合法人並みの料金が魅力の弁護士法人みやびが検討の余地あり!
残業代の未払いや退職金請求など、自分では交渉しづらいことがあるなら弁護士法人ガイア総合法律事務所が一律料金でサポートしてくれます(退職金請求などは成功報酬あり)
「会計事務所をやめたいと感じたら読むべき|退職を決める前のチェックリスト」まとめ
退職を決める前にみておきたい、チェックリストをご紹介しました。
まとめると…
もしチェックリスト1に「ひとつでも当てはまった」なら黄色信号!
そしてチェックリスト2に「当てはまるものがない」なら、赤信号!
転職を本気で検討してください!
もし、もう精神的にまいっていて「話すことすら怖い」なら、迷わず退職代行を使って退職しましょうね。
あなたの会計事務所での勤務経験が、自分が思っているよりも市場価値を上げていることをどうか忘れないでくださいね。
あなたをいつでも応援しています!
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