会計事務所あるいは税理士事務所への転職活動をしていて並ぶ言葉に戸惑っていませんか?
「〇〇会計事務所」
「△△税理士事務所」
「◇◇会計」
「◎◎税理士法人」
少しレアケースでは
「▽▽公認会計士事務所」もあります。
いったい何がどう違うの?働くうえではどこにするのがベストなのだろうか?
そんな疑問にお答えします。
会計事務所と税理士事務所、◇◇会計に違いはない
早速結論からお話してしまうと、「会計事務所」「税理士事務所」「◇◇会計」に違いはありません。
- 法人格のない個人事業主であることがほとんど
- 所長が税理士資格を保有している
- 多くの事務所が法人・個人の記帳代行や税務申告がメイン
まれに税理士法人の屋号が「◇◇会計」のときがあるにゃ。そのときは個人事業主ではなく法人にゃ
「会計事務所」や「◇◇会計」はいわゆる俗称で、正式名称は「税理士事務所」です。
税理士法40条2項で「税理士が設けなければならない事務所は、税理士事務所と称する。」と決められています
ではなぜちまたでは、わざわざ俗称である「会計事務所」や「◇◇会計」を使う事務所が多いのでしょうか。
それは、一般的に税理士の仕事はあまりなじみがないので「税理士事務所」だと税務(税金を計算する)しかしないところと思われるのではないか。
税務だけではなく、会計やコンサルなども含めて経営に対するサービスを提供できる!とアピールするために「会計」の言葉を前面に押し出していることが多いようです。
しかし、いずれにしても実質的な違いや仕事内容に違いはありません。
会計士事務所はひとあじ違う
会計事務所、税理士事務所、◇◇会計に違いはありませんが、「会計士事務所」はひとあじ違います。
正確には「公認会計士事務所」にゃん
- 法人格のない個人事業主であることがほとんど
- 所長が公認会計士資格を保有している
- 所長が税理士登録もしていることが多い
- 監査も事務所の仕事のひとつ
- 法人・個人の記帳代行や税務申告も行う
大きな違いは所長が「公認会計士」で、それはつまり公認会計士にのみ許されている「監査」業務を行うことができる事務所ということです。
ただ、公認会計士は税理士登録することで税務を行うこともできるので、税理士登録もしたうえで税務も主業にしている事務所も多いようです。
逆に税理士が公認会計士登録をすることはできません
税理士法人もちょっと違う
税理士法人も、会計事務所や税理士事務所とは少し違います。
- 法律で定められた法人格
- 税理士が2人以上在籍している
- 法人・個人の記帳代行や税務申告を行うが、資産税も扱う事務所が多い
チーム制(所得税、法人税、資産税など)を取り入れている法人もあるにゃ
個人経営の会計事務所や税理士事務所とは違い、事業継続の安定性が期待できる、複数の税理士がいるからこそ大規模&複雑案件も受けられるなどの特徴があります。
BIG4とか大手と呼ばれる事務所は全て税理士法人にゃん
ただ、個人事務所と規模感が変わらない小規模or中規模税理士法人もたくさん存在します。
働くならどこを選ぶか
では、会計事務所(税理士事務所、◇◇会計)、会計士事務所、税理士法人、働くならどこを選ぶと良いのでしょうか?
それぞれの事務所によって仕事内容や福利厚生の違いがでる傾向がありますのでご紹介しますね。あなたが転職先を選ぶうえで何を大事にするかを改めて考えてみましょう。
- 幅広い仕事がしたい、早く一人前になりたい
- 特定の分野で特化した仕事がしたい
- 今後、目指したい資格がある →税理士?公認会計士?
- 福利厚生で選ぶ
ちなみに福利厚生は所長の意向次第なので、個人事務所でも税理士法人でも求人票や面接で確認するしかありません
会計事務所(税理士事務所)を選ぶ
数の多さで言えば圧倒的に会計事務所(税理士事務所、〇〇会計)なので、比例して求人も多く出ています。
基本的に小規模な事務所ですので、所長も含めたメンバーとはアットホームな雰囲気で働くことができるのが特徴です。
業務的には一人でオールマイティにこなさなければなりません。
幅広く業務を担当することになります。具体的には、個人や法人の担当を持ち、お客様との普段のコミュニケーションから記帳代行、申告書のベースを作って所長に回すところまで。
一連の業務を担当するため、早い成長が見込めます!
ゼネラリストになっていくイメージにゃん
デメリットは、小規模事務所では資産税(相続税、贈与税など)を取り扱っているところはかなり少ないため、資産税の実務的な経験は積めない事務所が多いこと。
資産税は儲かるけれどリスクが高い、だから資産税が来たら友人知人の税理士に回すと決めている所長も多いのです
税理士法人を選ぶ
税理士法人は小中規模~大規模までさまざまありますが、中規模以上の事務所だとチーム制を取り入れていることが多いのが特徴です。
業務的には、自分もどこかのチーム(法人、個人、資産税)に所属することになるので、狭く深く、特定の分野に特化した業務を学べます。
どこか(法人、個人、資産税)のスペシャリストになっていくイメージにゃん
逆を言うと、所属チームの業務以外を学ぶ機会がないのが大きなデメリット。
もしチーム制の税理士法人を志望するなら、採用となったらどのチームに所属されるのか、チームのチェンジは可能か、などは確認してください!
所属するチームが自分の希望と違う、などの入社後のミスマッチは絶対避けたい!
公認会計士事務所を選ぶ
会計士事務所自体とっても希少です。所長が公認会計士のため、事務所業務に「監査」が加わるのが特徴
ただ、無資格の職員さんが監査に出向くことはなく、お手伝いできることも少ないので「監査が始まると所長がいない日が続くなぁ」と思うくらいです。
つまり、職員さんの業務的には会計事務所等と変わりません。
デメリットとしては、所長が監査のときは必然的に会う機会が少なくなることが挙げられます。報連相にも余裕をもった日程が必要でしょう。
公認会計士試験の突破を目指している人には、間近で会計士の仕事を見られる数少ないチャンスがある事務所にゃ
会計事務所と税理士事務所の違いまとめ
「〇〇会計事務所」
「△△税理士事務所」
「◇◇会計」
「◎◎税理士法人」
「▽▽公認会計士事務所」もあります。
ちまたに並ぶ税理士事務所の呼称は数多くありますが、実質的な違いはほとんどありません。
しかし、会計士事務所は所長が保有する資格が違ったり、税理士法人は個人事業主ではない法人格であることから、業務の内容や特徴には少し違いが見られます。
いずれの事務所も顧客の要望に答える形で税務申告のお手伝いし、プラスアルファで経営の手助けとなるよう会計なども含めたサービスも提供することになります。
それぞれの特徴を把握したうえで、あなたに合った事務所探しができますように!
コメント